審査講評

大会委員長

一般社団法人 全国書写書道教育振興会

会長 栁下 昭夫

美的感性と豊かな心を育てる

 令和元年の記念となる第43回全国学生書写書道展も、皆様のご協力により、格調高い作品に恵まれ、すばらしい書写書道展にできましたことを嬉しく思います。美しい日本語を大切にし、心に響く言葉や文章にまとめて課題とし、書くことを通して美的感性を養い、国語力を高め、豊かな心を育て、日本の伝統文化の発展を担う書写書道展にしたいと願っています。

対象は幼児から大学生までとしていますが、幼児の作品も、筆圧、運筆にも習熟し、線質も力強く、練習の成果が生きていました。小中学生の作品は書写の基本を大切にし、点画の書き方、字形の構成にも細かい心が行き届き端正で心が洗われるような作品に仕上がっていました。高校、大学生の作品には、ひとり一人の創意が、作品の構成、書体の選定にもうかがわれ、芸術性への挑戦を試みようとする意欲が感じられました。特に公募作品では臨書に取り組む真剣な態度に心をうたれました。原典の雰囲気、格調まで感じられ、学びの深さに感服しました。

この全国学生書写書道展は、公募とともに全国各地の決勝大会で選出された席書作品による書写書道展で、他に類をみないユニークな作品展として注目されています。

特に今年は異常な暑さ、不順な天候の中で、各会場の運営にあたられたご関係の皆様、ご参加された皆様に心より感謝しております。

会場には多くの参観者もおいでになり深い感銘を受けたとの声も聞かれ、この書道展が日本の伝統文化の発展と伝承、書く力の向上になくてはならない位置を確立していることを改めて痛感しております。ご関係の皆様のご支援、ご協力により、この書道展がますます充実発展してまいりますようによろしくお願いいたします。


審査委員長  元佛教大学教授・文学博士・毎日書道会書教育問題顧問
加藤 達成

令和元年に相応しい清美な、書写書道展

 新しい世代となり、日本文化は伝統と改革の輪が広がり国際的に向上発展の途上となりました。その一角を担う業績を果して43年の努力と継続を重ねた、全国書写書道教育振興会の活躍と理想に、心より敬意を評します。この佳き時に、本展に御入賞の皆様に萬福のお喜びを申し上げます。

おめでとう

第43回全国学生書写書道展の中央審査会は厳粛の中に名誉会長吉田宏先生を始めとして25名の審査委員が、中央審査資料に基づき長時間、厳正公平に審査に当たりました。出品作品は、席書・公募とも大旨、昨年並み点数で事務ご当局全員の奮闘に依るものと敬服して止みません。伝統はレベル(段階)を上げ、作品内容が高質で驚嘆しました。特質すべき事は、海外からの応募作品が多く、優秀な作品が目立ちました。正統な表現法が遵守されて好感を覚えました。書写・書道を通して国際親善が果されると、今回の書道展の意義を痛感せずには居られません。さて、私の審査対象は、大学・高等学校の分野で、吉田享子先生、岡崎忍先生、宗像澄苑先生、上遠野智先生5名の方々と審査を行ないました。対象作品は名品ぞろいで甲乙、優良付け難く鑑別には砕心の注意を払いました。

①高等学校の部

文部科学省学習指導要領、高等学校芸術科書道の目標、「生涯にわたって書を愛好する心情を養う」を更に教科目1、2、3に示された、表現領域事項を遵守して、漢字、仮名、漢字仮名交りの書の完成度を中心に鑑別しました。高校生課題の中で芭蕉俳句“詠むるや江戸にはまれな山の月”は書表現に、個性美を伴って、令和の時代観溢れる、清くて和ぎの作品は逸品で、現代を象徴する和を表出して居ました。漢字課題の“雨過一蝉噪”、隷書体、行書体に高度な表現が熟成され、筆勢に高校生の溌剌さを湧き立たせ、力量感とバランスを両立させる技法に感服させられました。

②大学・専門学校の部

今回は臨書作品に優秀な倣書作品を見る事ができました。漢字では、中国明清時代まで及ぶ名作に挑戦した力作、古典では知永「草書千字文」、仮名は日本特有の散らし書など、大学生の知性と熟練度の高い技法が随処に表白、43回展にして、心、技、体の練度の高い臨書作品を鑑賞できました。応募作品の評価と伴に、大学、専門性を認識せざるを得ない優れた作品群で、大学生の表現力の豊かさと個性美の独立性に感動を覚え、又、小字数の部から多字数の部と作品の傾向が移り、回を重ねるにつれて年ごとに向上発展を見ることができて喜ばしい限りです。大学の部は、甲乙付け難き審査で、入賞、特別名誉大賞の名に恥じない優秀な作品が多く芸術書、日常書と判別して賞賛惜しみない出品作でありました。

本展は、文字文化を広げる翼であると。 


東京学芸大学名誉教授
長野 秀章(竹軒)

「不断の努力」

第43回全国学生書写書道展において入選・入賞されました皆様、本当におめでとうございます。中央審査員の一人として本年も書写・書道教育に立脚し、基礎・基本をしっかりと踏まえた見事な作品に出会うことができて感動を覚えております。どの作品も紙面全体が気迫で充実しており、まさに一枚一枚を一生懸命に取り組んだ姿が作品を通して眼に飛び込んできました。これまでご指導された先生方、その取り組みを温かく見守って頂いたご家族の皆様方に対しまして改めて敬意を表する次第です。

この書道展は、小・中学生の時代だけで終わるのではなく、生涯にわたって手書き文字文化の大切さを伝え、書という我が国の文字文化に親しむことが重要なことです。

「ローマは一日にして成らず」という教訓がありますが、まさにこの度の受賞は皆様の〝不断の努力〝の賜物です。

皆様方には今回の受賞の喜びを契機として、これからも手で文字を書く文化に努力を惜しまず、 益々書写・書道の道に邁進していただくことを期待してお祝いの言葉とさせていただきます。


(一社)全国書写書道教育振興会顧問
吉田  宏

人生の大切な時間を貴重な宝に

第43回全国学生書写書道展入賞の皆さんおめでとうございます。

本年も各地から多くの力作が集まるとともに、例年ご出品いただく海外団体に加えて新しい団体にもご参加いただき、年を重ねるごとに本展覧会の広がりと皆さんの成果を実感するものとなりました。

席書の部は、夏休み期間に各地の会場で開催されます。今年も酷暑と言われる中、会場責任者を務めてくださる先生、また関係者の皆様方のお力添えにより各地で実施頂きましたことを心より御礼申し上げます。

予選を勝ち抜き、決勝大会に参加するために、また日々の練習を積み重ねた最良の作品を出品するために、ひたすらに努力を積まれたことは、皆さんの大きな力となりました。練習は嘘をつきません。ここに集まった作品は、どれ一つをとっても力の結晶であり、ここからまた飛躍を重ねていくであろうと確信しています。

学生展の期間中は、ちょうどお休みの期間ですからいろいろなことがあるでしょう。けれど「人は環境に染まる」と言います。

遊んで過ごしてしまうのか、切磋琢磨する仲間と過ごすのか、学生という皆さんの大切な時間は人生のうちのごくわずかです。良い仲間、尊敬する師の元で過ごす「時」は、何よりも貴重な宝となります。

焦らず慌てず諦めずにこれからもたくさんの経験を積んで日々を過ごしていただきたいと願っております。

最後になりましたが、日頃より温かく見守ってくださるご家族の皆様に心より感謝申し上げます。


日本武道館勝浦研修センター講師
加藤 俶子

審査会に参加し

第43回全国学生書写書道展の中央審査会に参加させて頂き、全国各地より応募されました皆さんの作品を拝見致しました。入賞されました皆さん、おめでとうございます。

今回、担当致しましたのは、幼・一・二・三年生の四学年でした。最終審査に残った作品という事もあり、どの作品も練習の成果が良く表れておりました。特に上位作品につきましては、筆使い、字形、文字の中心の取り方等一年生より二年生の方が練習を重ねたと思われる線質の良さ、三年生になりますと、さらに習熟度が増した作品が多く、甲・乙つけがたい仕上がりとなっておりました。

ただ、残念に思えましたのは、名前の大きさ、書く位置等のバランスが、もう少しという作品が多くありました。これからの練習では、一枚一枚名前も入れて書くという事も大事な練習方法かと思います。

皆さんの作品が向上しますよう、そして受賞されました皆さんも更に練習を重ねられ、今回以上のすばらしい作品の出品を切望致します。


なの花書道会会長
金子 良惠

基礎・基本を身につけた作品に出会って

第43回全国学生書写書道展において受賞された皆さん、おめでとうございます。

出品された作品はどれも心がこもっており、素晴らしかったです。一人ひとり、努力した様子が伝わり、心を打たれました。

特に席書作品は、各地域で選ばれた作品で、力作がたくさんありました。公募作品は、用紙も文字も自由に書いた作品でした。一字一字丁寧に書き、書いた言葉を相手に伝える作品に見とれました。

今回は、四年生、五年生を審査致しました。基礎・基本を身につけた、筆使いの素晴らしい作品が多くありました。

審査の観点として、四年生は、①文字の組み立て方。②文字の形、方向などに注意する。③大きさや配列に注意して読みやすいように書く。④点画の接し方、交わり方、方向に注意する。⑤文字の大小・文字の中心・画と画との間に注意する。

五年生は、①文字の形、大きさ、配列等。文字を書くときに役立てる。②文字の組み立て方・文字の形を整える。③文字と文字の間隔・配列・余白に気をつける。④漢字と平仮名のつり合いや調和、紙面への構成を考える。

本年度は、課題だけではなく、学年・氏名の位置に細心の注意を払って仕上げた作品が多くあり、大変うれしく思います。

惜しくも入賞できなかった皆さん、どこを注意すれば良かったのかを勉強して見ましょう。学年で学ぶべき目標を考えることが大切です。紙面にあわせた文字の大きさ・余白などに気づくはずです。

来年も今年以上に心に残る、より多くの素晴らしい作品に出会えることを楽しみにしています。


日本書写書道検定委員会会長
吉田 享子 (一社)全国書写書道教育振興会副会長

2020年 表彰式・作品展示が東京都美術館へ

 本大会は43回を迎え、昭和の時代に発し平成・令和と3つの時代を貫いてまいりました。多くの大会参加者・関係者の皆様の思いで支えられてまいりましたことを深く感謝申し上げます。

2020年度は優秀作品を東京都美術館に展示、表彰式も美術館講堂で行われることが決定いたしました。令和元年を記念して新たな展開となりましたことに感謝しつつ、多くの応募をお待ちしております。

今回は特に高校・大学生の作品が幅広く充実し、書写から書道芸術へと進んでいく小・中学生に大きな目標を示せたのではないかと思います。最終審査に上がってくる作品も臨書を始め創作作品もあり、偏りのない作品が集まりました。

書道芸術のような芸術分野の学びは、普段の生活において必要不可欠なものではないかもしれませんが、そこで得られる知識・技術や鍛錬することなどは、それぞれの人生を豊かにしてくれるものの一つだと思います。一つのことに打ち込むことで得られる経験は、多くのことに活かせる宝です。本大会を通して得た経験を様々な分野にいかし活躍してほしいと願っています。

最後に出品にあたりに留意してほしい点を、記しておきます。本大会は作品出品における半紙は「白色」としています。優秀でありながらこの点に抵触してしまった作品があり、大変残念でした。

来年は新たな展開で開催される本大会。多くの応募をお待ちしております。


日本武道館書写書道手本筆者
西城  研(一社)全国書写書道教育振興会手本筆者

書写・書道それぞれの良さを作品に

第43回全国学生書写書道展にご入賞の皆さん、おめでとうございます。

中学二、三年と、高校、大学の事前審査をさせて頂きましたが、相当な練習量と書に真摯に向き合う姿勢を感じる作品が多くありました。

中学生の作品は、長年の書写学習がしっかり身についている方が多く、字形だけでは実力拮抗、字間・中心や、行書の特徴を理解した筆づかいであるか等での判断となりました。墨量や課題に対しての氏名の大きさなどでも出来映えの印象は変わりますので、整った文字のバランス感覚と作品の構成のしかたを、より研究してほしいと思いました。

高校・大学の作品では今回特に、書体や書風の幅の広がりが見られたのが特徴かと思います。しかし残念なことに、誤字や崩し方の曖昧な作品もいくつかありました。特に行草では正しい筆路の確認を、字典で調べるクセをつけてほしいと思います。創作では、自由な発想で書けるのですが、我流に走りすぎないよう注意が必要です。普段から臨書学習をしているか、見よう見真似で書いた作品かは、線を見ればわかります。特に「かな」ではそれが顕著に出ていました。

中学と高校では、書の学習も国語科から芸術科に変わることで、長年培った書写から離れられず、書道に馴染めない人もいるのかなと思いました。書写をベースにした書道作品も素敵ですが、それに留まらず、古典をベースにした作品にも広く目を向け、是非挑戦してほしいと思います。

今回審査をして、中三と高一のたった一学年違うだけで生じる壁も少し垣間見えたのですが、中学、高校、大学のどの作品も共通して、書を愛好し、真剣に学んでいる好感の持てる作品が多く喜ばしく思いました。

この受賞者名簿は、一つ上の学年の作品を参考にできる絶好の本です。目標を持ってこれからの書写書道学習にあたってほしいと思います。


日本書写書道検定委員会審査副部長
中里 久乃

目標に向って

第43回全国学生書写書道展に入賞された皆さん、おめでとうございます。

皆さんがこの夏頑張った努力の成果の出ている多くの作品が集まりました。今回中央審査では、小学六年生、中学一年生を担当させて頂きました。

席書の部は、7月8月に全国24会場で開催されました。予選を通過して、席書大会出場の目標に向って練習を積み重ねてきたことと思います。いつもと違う環境で緊張感のある中、2枚の用紙に集中して全力で清書する価値のある20分間だったと思います。

皆さんのその様な真剣な一筆一画が作品にも良く伝わってきました。

小学六年生になると文字の画数も多くなり難しくなりますが、上位の作品は基本点画に気をつけながら、文字のバランスも良く、中心の取り方や余白を上手にとれていました。

中学一年生は、まだ慣れていない行書ですが、全体の文字の流れも良く、点画の長短、漢字と仮名のバランスも良く、筆圧の強弱を生かした甲乙つけがたい作品ばかりでした。

公募の部は、課題も用紙もさまざまですが学年を考慮して自分に合うものを選択すると良いと思います。上位作品は半切が多く、一画一画しっかりと書けていて、全体のバランスも良くすばらしい作品でした。

これからも日頃の練習を大切にして、今回の結果を参考に次の目標を決めて、それに向って努力してみてください。次回も一歩前進した皆さんの作品を期待しております。


河又 弘子  栃木県KMS学園学園長

       (一社)全国書写書道教育振興会理事

「今の努力は未来の宝物」

入賞されました皆さん、おめでとうございます。令和を迎え、43回を数える歴史ある大会に参加できましたことをうれしく思います。

幼児から小学3年生の席書および公募作品の審査の一人として担当させていただきました。今年の夏は天候不順で寒暖の差が大きく、小さい子供さんには負担が大きく体調の維持に苦労されたのではと思いますが、上位入賞の作品にはそのような感じは微塵もなく力強い作品が多くみられました。

幼児の席書作品の中に、バランス・筆跡・名前が上手く、幼児とはとても思えないような素晴らしい作品がありました。恐らくまだ緊張を知らず集中して書くことが出来たのではと推察いたします。このまま伸びて日本の書道界を牽引するような存在になってほしいものと勝手に期待しております。

席書への参加・公募での作品提出に際し、皆さんそれぞれがいろいろな状況もあり、ご苦労されたことと想像しておりますが、この努力は必ずや将来に生きてくることと思います。

努力が大きく・多いほど報われます。希望を実現する人生を目指しましょう。


竹俣 久寿  静岡県 竹俣書写教室代表

43回大会の中央審査会に参加して

今回、43年の歴史ある大会の審査会に出席させて頂きました。私は第13回大会より審査会の仲間に入れていただき、応募された全国の作品のレベルの高さに身震いした事を思い出します。この経験をもとに指導にも奮起したおかげで翌年の14回大会には、高校3年の教え子が初めて大臣賞を受賞させて頂き、大変感激したことを今でも鮮明に覚えております。その生徒は今では2児の母親になり書道教室を運営し、地元カルチャースクールの講師として活躍しながら本大会にも毎回参加しております。

さて今回は、4、5年生の審査を担当いたしました。作品はどれをとっても優秀で甲乙つけがたく順番をつけるには心が痛みましたが、主催者作成の「審査基準表」に基づき、テキパキと順番に作品を並び替える事ができ、会長をはじめとする先生方による最終確認もスムーズに終わりました。

中央審査の先生からは、作品を仕上げるには常に八つ切り用紙での練習が効果的、とのアドバイスを頂き大変勉強になりました。

全学年の審査が終了した後は、審査員が一堂に会して、学年トップ作品を展示して「文部科学大臣賞」をはじめとする主な特別賞が確定いたしました。毛筆での学年日本一の大会に相応しい優れた出来栄えに感動を覚えました。

最後にこの大会が更に更に継続発展されます事を切に願い審査所感といたします。


小林 景流  埼玉県 埼玉飯能書道教室長

指導者の先生方に敬意

この度受賞された方々おめでとうございます、心よりお喜び申し上げます。

わたしは32~33年前、新聞広告を見て大宮ソニック書写教室の公開講座を見学に行き、大変な衝撃を受けたのを今でも鮮明に記憶に残っております。それ以来、席書大会には欠かさず参加しておりますが、中央審査会に参加させていただきましたのは、諸先輩の先生に代わって昨年からで今回が二回目です。今年は、小六と中一を担当させていただきましたが、この中央審査まで上って来られた作品は、どれもこれも優秀で甲乙つけがたく大変悩まされました。

受賞された方々は、日々どの様な練習を重ねてこられたのか……。あの迷いのない堂々とした線、筆のほ先まで神経が行き届いた作品、感心するばかりです。そしてどの様な指導をされたのか、指導された先生方に心より敬意を表します。一緒に審査に当たられた先生方、的確なご指摘に納得の評価ができ、指導者の端くれとして私自身も大変学びの多い機会でした。ありがとうございます。

又海外の作品を拝見する事も出来、台湾の中学生の作品はこれが中学生か?と思う程で幼少の頃から日々古典に向きあってきたのだろう、中国の長い長い歴史のにおいを感じ感動いたしました。

又来年この様な素晴らしい作品とお目にかかれるのを楽しみにしています。


戸田 文子  栃木県 元専修学校 宇都宮書道学校非常勤講師

継続の大切さ

 第43回全国学生書写書道展入賞の皆さん、おめでとうございます。

私は中学二・三年の部門を四人で担当させて頂きました。

基本の点画は勿論、始筆、送筆、を学ばれたうえでの配字や行書の筆使いなど、練習を積んだ質の高い作品が多く見受けられました。

昨年は小六・中一の担当をさせて頂きました。特にこの一年間での頑張りが上達へとつながったものと感銘を受けました。

公募においては、半紙・八ツ切・条幅と用紙、課題も様々な作品の中から選ぶに当っては、とても気を使いました。

どの作品も意欲的に取り組んでいる姿勢が伺われるレベルの高さに感動しました。

書写書道に常日頃から精進され、努力の成果が実った作品に接することが出来た審査会でした。

惜しくも入賞を逃された方も、僅かな差でした。次回に向けて、さらなる研鑽を積まれ素晴らしい作品に出逢えることを期待致します。


岡崎 忍  神奈川県 相模女子大学中学部・高等部

国語科・芸術科書道 教諭

書道を通して感性を高め、豊かな表現力を

入賞された皆さん、おめでとうございます。第43回全国学生書写書道展中央審査に参加し、高校と大学の審査を担当させていただきました。中央審査に選出された作品は優秀なものばかりでした。席書の部(高校・大学)では、様々な書体と個々人の工夫がみられ、二枚にかける熱意を感じました。公募高校の部では、古典の臨書作品を中心に一行書きから数百字にわたる多字数の作品が多くありました。公募大学の部では、古典臨書の学習を超えて、古典の書風を生かした創作作品が多くありました。

高等学校学習指導要領芸術科の目標には「芸術の幅広い活動を通して、見方・考え方を働かせ、生活や社会の中の芸術や芸術文化と豊かに関わる資質・能力を育成することを目指す」とあります。中学校までに培った書写力を基盤に、知識を増やし技能を高め、試行し判断し(選び取って決断し)表現し、諦めずにやり遂げることで書道の力がついてくると考えます。これらの力は、書道だけにとどまらず人生の多くの場面で生かせる力になるでしょう。ぜひ、書道に向かう鍛錬を通して、世界で活躍する人になってください。出品された作品から次に生かせる視点を以下に挙げます。作品作りの参考にしてください。

・紙面に対する文字の大きさ  ・弾力ある毛筆の表現性  ・墨の濃淡や潤滑の工夫

・本文と自筆署名の大きさのバランス  ・雅印の位置